Continuous hemodiafiltration (CHDF) を用いた重症患者管理

1991 
急性腎不全に対して1985年1月にcontinuous hemofiltration (CHF) を導入してからは, CHF+intermittent hemodialysis (HD) が治療の中心となり, その有用性についていままでに報告してきた. しかしながら, 循環動態が不安定な重症患者や小児においては, CHFは可能であっても, HDは施行困難であり, こうしたCHF+intermittent HDの欠点を補うべく, 1989年10月よりcontinuous hemodiafiltration (CHDF) を導入した. そこでCHDFの重症患者管理における有用性について検討を行ったので報告する. 1989年10月-1990年6月の間に13症例に対してCHDFを施行した. 年齢は6か月から68歳であり, 13例中若年性肝硬変の1例に対しては中分子量物質除去目的で用いたが, 他の症例はすべて腎不全に対する治療の目的でCHDFを用いた. Blood accessは25kg以下の小児はA-Vであるが, それ以外はflexible double lumen (FDL) cathetherを用いV-Vで行った. HemofilterはFiltryzer HF-0.3U, 0.6Uを用い, bedside consoleはCHF専用bedside consoleを用いている. 目標濾液量はIVHを用いた栄養管理および水・電解質管理に必要な量+透析液量とした. 透析液は滅菌した重炭酸バッファーによる透析液を用い, 液量は500ml/hrとした. CHDF施行時間は, 7時間から24日であり, 救命率は13例中6例46%であった. 我々の方法によるCHDFはpriming volumeが小さく, 循環動態に与える影響が少なく, 小児や循環動態の不安定な重症患者に対して有用であった. CHDFは小から中分子量物質の除去に優れており, シュミレーションによるcreatinine (Cr) 除去効率の理論値は, CCr 100ml/minの能力をもつ通常HDを連日4時間行う場合とほぼ同等であった. また, lactic acidosis, 高K血症に対しても有用であった. CHDFはCHFに比し, その手技上若干繁雑ではあるものの, 今後intensive careにおける血液浄化法としては, first choiceになるものと考えられた.
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