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Hemodialysis in lupus nephritis

1988 
腎不全はSLEの死因の第1位であり, 予後を決定する重要な因子と考えられる. そこで我々は最近10年間に経験した17例のループス腎炎由来の透析症例について, 2年以上生存群9例と2年以内死亡群8例に分けて導入期の臨床像, 臨床検査成績, 導入後の血清補体価, 投与ステロイド量の推移を比較検討し, その長期予後, ならびに予後に影響を及ぼす因子について以下の成績を得た.1) 透析導入期の臨床像では, ほとんどの症例がSLEの活動性を示していたが, 2年以上生存群では, その程度も軽くステロイド投与量も30mg/日以下の症例がほとんどで, 腎症以外の症状も認められない症例が多かったが, 2年以内死亡群はステロイド投与量も40mg/日以上の症例がほとんどで, 腎以外のSLEの症状が強い症例が多く認められた.2) 透析導入時の臨床検査成績の比較で, 2年以内死亡群が血清総蛋白量において有意に低値を示し, ネフローゼ症候群の程度が重篤であったと推測された.3) 透析導入後, 2年以上生存群は, 経過とともに血清補体価が正常化する症例が多く認められ, 投与ステロイド量も全例が2年以内に中止されるか, 最少維持量の投与が行なわれるに過ぎなかった.4) ループス腎炎由来の透析症例の死因は, 腎不全そのものによる原因というよりは, SLEの活動性が高く, SLEの重篤な合併症やステロイドによる死亡群と高カリウム血症のように腎不全合併症による死亡群との2群に分けて考えられた.
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