[Costimulatory molecule expression on allergen-stimulated PBMC in cedar pollinosis subjects].

2001 
鼻アレルギーなどのI型アレルギーの病態形成にはヘルパーT細胞のうちTh2が重要な役割を果たしていると考えられている. ナイーブT細胞が活性化されTh2へと分化するには, 第1シグナルと共に第2シグナル (costimulatory signal) が必要と考えられている. スギ花粉症におけるcostimulatory分子の関与について検討した.まず, 花粉症患者12名, 健常者11名についてスギ花粉抗原刺激により末梢血単核球 (PBMC) 上に表出される各costimulatory分子と, 培養上清中のサイトカインのパターンを健常者とスギ花粉症患者とで比較した. さらにcostimulatory分子の関与をより明確にするために, 花粉症患者7名について中和抗体を用いたblocking試験を行った.PBMCをスギ花粉抗原で刺激するとスギ花粉症患者においては, 健常者に比べCD19陽性細胞上のCD86, CD40が有意に強く発現された. 培養上清中のIL-5は花粉症患者で, IFN-γは健常者で有意に高かった. IL-4は花粉症患者, 健常者共に検出できなかった. 抗CD86抗体, 抗CD40抗体によるblocking試験では, 抗CD86抗体添加群ではPBMCの細胞増殖能は抗体無添加群に比べ有意に抑制されたが, 抗CD40抗体添加群では一定の傾向を示さなかった. IL-5の産生は抗CD86抗体添加群では抗体無添加群に比べ有意に抑制された. IFN-γの産生はいずれの群でも差はなかった. IL-4はいずれの群でも検出できなかった.鼻アレルギーにおいては, ヘルパーT細胞のうちTh2が優位となっており, Th2への分化にはcostimulatory signalのうちB7-2 (CD86) を介するsignalが重要な役割を果たしている可能性が示唆された.
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