Composition of polar compounds in coal-derived distillable liquids.

1988 
高温高圧下において7種類の石炭の水素化分解を行ない,得られた留出油中の極性成分の組成について,ガスクロマトグラフィー(GC)およびFI質量分析法(FI-MS)により検討した。反応はt内容積300mlの回転かきまぜ式オートクレーブに石炭25g,テトラリン30ml,α-Fe2O3(硫化)0.5gを充愼し,反応温度450℃,反応時間1時間,水素初圧100kg/cm2で行なった。蒸留により得た留出油(150~430℃)から,アルカリ抽出,酸抽出および活性アルミナカラムにより,それぞれ酸姓成分,塩基性成分,中性極性成分を分離した。各極性成分の収率は酸性成分4.1~6.3%,塩墓性成分0.3~1.4%,中性極牲成分3.5~5.6%(maf基準)の範囲であった。酸性成分の収率は原炭中の酸素含量ととくに関係はなく,炭種により異なった。酸性成分のGC分析により,その組成は炭種によらずほぼ一定であり,また,リグニンの水素化分解により得られた酸性成分の組成ともよく似ていることが示された。塩基性成分および中性極性成分の組成分析は,FI-MSにより行なった。塩基性成分には単環から四環までの塩基性窒素化合物が含まれており,中性極性成分にはヒドロキシル基を1個もつフェノール性化合物とインドール,カルパゾール類などの非塩基性窒素化合物が多く含まれていた。留出油中の極性成分の組成は炭種により大きな相違はなかったが,石炭化度の高い歴青炭ほど多環の化合物が多くなる傾向がみられた。石炭液化油のような複雑な混合物の組成分析法として,FI-MSによる分子イオンスペクトル法およびシリル化法がきわめて有用であることが示された。
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