A Case of Intestinal Pseudo-obstruction Secondary to Hypothyroidism

1988 
症例は甲状腺手術歴のある75歳女性,主訴は腹部膨満,便秘.昭和55年頃から高度の便秘で下剤を連用していた.昭和59年7月,イレウスと診断され,手術を受けたが,術後も腹部膨満が続き,昭和60年9,見当科に入院した.入院時,腹部は著しく膨満していた.腹部単純X線所見では大腸は著しく拡張し,注腸造影検査では大腸に器質的狭窄を認めなかった.甲状腺機能検査では一次性甲状腺機能低下症を認めた.以上の、所見から甲状腺機能低下症に続発した偽性腸閉塞症と診断した.拡張部腸管の減圧のために経肛門的に減圧管を挿入し,高カロリー輸液を施行し,原疾患に対しては甲状腺末を投与したところ,血中甲状腺ホルモン値が正常化するとともに腹部膨満も消失し,軽快退院した.甲状腺機能低下症に続発した偽性腸閉塞症の本邦報告例は1987年8月末まで5例のみであった.慢性続発性偽性腸閉塞症に対しては拡張部腸管の減圧と原因疾患に対する治療が必要である.
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