急性胆嚢炎におけるEpstein-Barr Virusの関与について

2000 
急性胆嚢炎の発症においてEpstein-Barr Virus感染との関連性を検討した報告は少なく, 急性胆嚢炎17例, 慢性胆嚢炎13例, 正常胆嚢8例で胆嚢粘膜組織と胆嚢内胆汁のEBV-DNA発現の有無をpolymerase chain reaction法にて検討した. さらに血清中のviral capsid antigen (VCA) に対する-IgG,-IgM抗体価との関連性を検討した. 急性胆嚢炎の全症例で胆嚢粘膜組織にEBV-DNAが検出され, その12例は胆嚢内胆汁中にも検出された. この12例中2例は無石急性胆嚢炎症例であった. 慢性胆嚢炎症例と正常胆嚢ではその胆嚢粘膜組織, 胆嚢内胆汁中にEBV-DNAは検出されなかった. 抗VCA-IgG抗体価より慢性胆嚢炎の1例を除いて, EBV感染の既往を認めた.以上より, EBV潜在感染性のリンパ球が急性胆嚢炎の局所炎症形成過程に関与する可能性が示唆された.
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