Evaluation of relationship between symptoms and parameters in bones and joints in chronic hemodialysis patients

1988 
千葉大学第2外科および千葉社会保険病院にて, 1969年から1985年までに血液透析に導入した症例のうち75例について, 骨関節に関する患者の訴えを聴取するとともに, 骨パラメーターの測定を行い, 骨関節痛の頻度, 骨関節痛と骨パラメーターの関連について検討した. 対象症例は, 男性50例, 女性25例で平均46.4±12.0 (M±SD) 歳, 平均透析歴は8.8±4.7年である. 原疾患は, 慢性糸球体腎炎51例, 糖尿病性腎症6例, その他18例であった。全症例の63%に骨, 関節痛を認めた. 運動痛の部位別頻度は, 膝31%, 肩27%, 手指15%, 足および腰12%, 肘11%, 股5%, 手首4%であった. 自発痛の部位別頻度は, 上肢15%, 下肢8%, 腰背部3%であった. 骨関節痛は, 透析歴とともに増加した. 40歳代の女性では有症状率82%と高率であった.有症状群では, 無症状群に比してβ2マイクログロブリンが高値を示し, C-PTH, INS-PTHおよびオステオカルシンは高値傾向を示した. 有症状群では, 続発性上皮小体機能亢進症が関与しているものと思われた.MD法総スコアとΣGS/Dスコアにおいて, 両群とも透析歴と正の相関が認められたが, MCIスコアにおいては, 有症状群に透析歴と正の相関を認めた. 総合評価で正常でも50%の有症状群を示し, III度では69%と高率となったが, 有意差はなかった.運動痛群では, 自発痛群に比しΣGS/Dスコアが高値を示し, MD法総スコア, MCIスコア, 血清Pi, C-PTH, INS-PTHは高い傾向を示し, 血清Ca値は低い傾向を示した. 運動痛群は, 続発性上皮小体機能亢進症が主体と思われた. 自発痛群のアルミニウム骨症との関連については不明であった.以上, 透析患者の骨関節痛については, 患者の微細な訴えまで耳を傾け, 早期より保存的治療を開始することが重要であると思われた.
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