放射線とドセタキセル併用にて治療した下腿のAngiosarcoma Associated with Lymphedemaの1例

2011 
64歳,女性。当科初診の9年前に子宮体癌の手術(子宮・卵巣全摘術,骨盤内リンパ節郭清術)を施行された。後療法は無し。子宮体癌術後数ヵ月から両下肢の浮腫(左>右)を自覚。1年前に左下腿に紫斑を認め,徐々に病変が拡大した。皮膚生検でangiosarcoma associated with lymphedemaと診断。局所療法として患肢切断など手術療法を提示したが,患肢温存を希望されたため,X線による放射線療法と週一回のドセタキセル(以下DOCと記す)の点滴静注を併用した(weekly docetaxel)。放射線治療後30ヵ月経過した現在まで再発,転移を認めない。Angiosarcoma associated with lymphedemaに対する化学療法の効果は現時点では不明だが,頭部のangiosarcomaに対するDOCの効果が報告され,またDOCは放射線治療効果を増強するとの報告がある。一方,angiosarcomaへの放射線療法は病変に対し充分に広く,充分な量の照射が推奨されている。X線による放射線療法とDOCの併用は,子宮癌術後の下肢に生じたangiosarcoma associated with lymphedemaに対する治療法の1つの選択肢となりうると考えた。
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