A Case of Tracheoinnominate Artery Fistula That Required 2 Operations and Which Developed a Subcutaneous Abscess 2 Years after the Operations

2003 
症例は生来の脳性麻痺があり12歳時に気管切開術を受けている18歳の男性であり,気管腕頭動脈瘻による大量の気管内出血に対して2度の緊急手術を行った.初回手術では胸骨正中切開にて,気管と腕頭動脈に生じた瘻孔をそれぞれ直接閉鎖した.再出血予防を意図して両者の接触面には胸鎖乳突筋の有茎皮弁と自己心嚢膜を間置したが,術後20日目に再出血を生じた.第2回手術では出血の再発を避けるため腕頭動脈の離断術を行った.術野が汚染野であることを考慮し縫合糸以外の人工物は一切使用しなかったが,術後2年の時点で創部皮下膿瘍を生じた.幸い膿瘍腔は縦隔内には達しておらず切開排膿と抗生剤の投与にて軽快した.気管腕頭動脈瘻は外科的処置なしには救命不能であるが,再出血および感染に関する合併症により予後はきわめて不良である.術式には直接閉鎖,人工血管置換,単純離断などがあるが,出血に関しては初回手術時から離断術を行っておくべきであったと思われた.感染に関しては自己心嚢膜を利用し,縫合糸以外の人工物は用いない術式が有効と思われた.気管腕頭動脈瘻は緊急手術を余儀なくされるが,術後の再出血と感染に対する予防を十分配慮したうえで術式を選択すべきである.
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