術前の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)PCR 検査を必須とした急性胆囊炎手術例の検討

2021 
当院では,2020 年3 月に院内感染による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団感染が発生し,約2 週間の外来診療および手術の停止を余儀なくされた.その後,COVID-19 患者のみならず,COVID-19 か否か不明の発熱患者をゾーニングにより隔離し,医療従事者には個人用防護具(PPE)などの感染防御を徹底することにより,院内感染を終結させることができた.この経験を機に当院では,原則としてエアロゾル発生の危険性がある処置を行う患者全員にCOVID-19 polymerase chain reaction(PCR)検査を行い,陰性確認後に手術・処置を行う方針とした.ただし,生命にかかわる危機に瀕し,救命のためには一刻の猶予も許されないと判断した場合はこの限りでなく,COVID-19 感染不明患者として厳重な感染予防対策のもとで緊急手術を行う方針とした.そのため,従来であれば緊急手術の適応となる症例もCOVID-19 流行前と若干異なる術前経過をたどることとなった.本研究では,COVID-19 流行前後の急性胆囊炎患者の手術成績を比較して,術前のCOVID-19 PCR 検査の陰性確認が術後成績に与える影響を検討し,その妥当性について明らかにする.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []