持続型心室頻拍のpleomorphism症例におけるわずかな波形変化―minor pleomorphism―の検討

1989 
Pleomorphismを呈する持続型心室頻拍 (VT) 症例における, わずかなQRS波形変化の示す意義を検討した.当科で経験した55例の持続型VTのうち, 19例で複数のVT波形を認めた.同一症例において, 12誘導心電図上QRS軸が前額面ないし水平面で45゜以上異なる場合, pleomorphismが存在するとしたが, 19例のうち5例で45゜以下のわずかな波形変化が認められた.これをminor pleomorphismと定義し, VT波形と最早期興奮部位の関係からその意義を検討した.5例中3例では, 各VTにつき2~3cm離れた最早期興奮部位が同定された.他の1例では, 一方のVTの最早期興奮部位の局所電位が, VT波形の変化に伴って時相変化を示し, 最早期興奮部位が移動したと考えられた.残りの1例ではVTレートが速いため, VT起源の十分な検索が不能であった.12誘導心電図上わずかな波形変化であっても, 最早期興奮部位が異なる場合があり, VT波形の異同判定の際, 留意すべき点であると考えられた.
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