緊急血液透析を要した高マグネシウム血症症例の特徴(The characteristics of patients with hypermagnesemia who underwent emergency hemodialysis)

2017 
要旨 【目的】緊急の血液透析(HD)を要した高マグネシウム(Mg)血症症例の特徴について検討した。【対象】24年間に当院で高Mg血症により緊急HDを施行した15例とした。【結果】年齢の中央値は78(59–94)歳で,65歳以上が14例であった。男性6例,女性9例で,高Mg血症に起因しない入院中の死亡を2例に認めた。血清Mg値の中央値は6.0(3.7–18.6)mg/dLであった。HD前の臨床症状は意識障害を10例,血圧低下を5例,徐脈を5例,呼吸不全を2例に認めた。酸化マグネシウム(MgO)製剤を全例で内服しており,1日投与量は常用量である2.0g以下が12例,2.1g以上が2例,不明が1例であった。HD前の血清Cre値の中央値は5.39(0.54–10.29)mg/dLで,2例は上昇していなかった。急性腎障害(AKI)の合併は9例に認めた。【結語】当院で緊急HDを要した高Mg血症症例の多くは,常用量のMgO製剤を内服中の高齢者であった。腎機能低下は高Mg血症の危険因子であり,AKIの合併例を多く認めたが,発症時血清Cre値が上昇していない症例もあった。このためMgO製剤を内服中の高齢者が意識障害,血圧低下,徐脈,呼吸不全などで救急外来を受診した際は,MgO製剤の投与量や血清Cre値に関わらず高Mg血症の可能性を考え,血清Mg値を測定する必要がある。
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