A Case of Mucin-producing Cholangiocarcinoma with Dilatation of the Common Bile Duct.

1995 
初回手術で発見できなかった粘液産生性肝内胆管癌を経験したので報告する.症例は56歳の女性で, 黄疸・発熱を主訴に来院した.腹部超音波検査および内視鏡的逆行性胆道造影では総胆管, 左肝内胆管の拡張と総胆管内の陰影欠損を認めた.以上より, 総胆管結石症と診断し手術を施行した.術中, 総胆管を切開すると大量のゼリー様物質の排出を認めたが, 胆道鏡では肝内外胆管内に, それ以外の異常を発見できなかった.手術後T-tubeから胆汁とともにゼリー様物質の流出が続いたが, 胆汁の細胞診では悪性細胞は認められなかった.T-tubeを介して胆道鏡を施行したところ左肝管内に乳頭状の腫瘤性病変を認め, 生検で乳頭状腺癌の診断を得た.改めて肝左葉, 左尾状葉, 肝外胆管切除術を施行した.病理診断は, 粘液産生性肝内胆管癌であった.本疾患は比較的まれな疾患であり, 本邦での報告例は40例に満たないので文献的考察を加え報告する.
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