Effects of Citric Acid and Tetracycline Hydrochloride Conditioning on Root Dentin and Calculus Surfaces.

1998 
現在まで, クエン酸, 塩酸テトラサイクリンによる歯根処理の研究は数多くなされている。濃度, 作用時間, 作用方法の違いによる検討はなされているが, 同一pHによる, 両者の歯根表面形態の違いを比較検討した報告は見当たらない。そこで本研究は, 同一pHによるクエン酸水溶液と塩酸テトラサイクリン水溶液による象牙質および歯石表面への形態学的特徴をSEMを用いて評価することにある。歯肉縁下歯石が付着した80個の歯根試料片 (5×5×1mm) を用意し, 40個については新鮮象牙質を認めるまで外側を手用スケーラーでルートプレーニングし, 残る40個は歯石が付着した状態とした。それぞれの歯根チップを8群に分け, 5個ずつ試料片をスライドグラス上に両面テープで固定した。クエン酸水溶液 (pH 1, 2, 3, 4) と塩酸テトラサイクリン水溶液 (pH 2, 3, 4), および蒸留水を綿球に吸着し, それぞれのスライドグラス上の試料片を30秒間擦過し, 綿球を交換しながら6回処理し, その後1分間蒸留水で洗浄した。全ての試料片を凍結乾燥し, 金蒸着後, 走査型電子顕微鏡にて観察した。歯石表面では, クエン酸水溶液でも塩酸テトラサイクリン水溶液の処理でも表面変化を認めなかった。pH4のクエン酸水溶液とpH 3とpH4 の塩酸テトラサイクリン水溶液ではほとんど脱灰層を認めなかったが, 低pHのクエン酸水溶液 (pH 1, 2) とpH 2の塩酸テトラサイクリン水溶液で処理した象牙質を比較すると, 両者とも脱灰層を認め, さらにクエン酸の方がより強脱灰されていた。
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