これから造血幹細胞移植を始める施設のために―移植施設の条件と準備すべきこと/とくに院内対策について

2009 
造血幹細胞移植を受ける患者は,移植前処置の化学療法や放射線療法により,患者自身の骨髄を根絶するため,正常造血能や粘膜前駆細胞が破壊され,前処置を開始してから好中球が回復するまでの期間,貪食細胞と正常皮膚組織という重要な感染防御機構なしに過ごさなくてはならない.その後も長期にわたり易感染状態となり,移植前から移植後長期にわたり感染対策が重要である.移植後早期は,移植病室で管理が行われるようになり,環境が感染源となるアスペルギルス症(アスペルギルスは真菌の1 種であり,ほこりと密接に関係にしている)は減少している.しかし,移植病室を退室した後,移植後期では移植片対宿主病(GVHD)とその治療のためのステロイド使用と相まってアスペルギルス症が増加しているという報告がある.そこで,これから造血幹細胞移植を開始する施設のために,アスペルギルス症に焦点をあてた移植施設の設備と感染対策について述べる.
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