臨床の部 ● 演題 1ニコランジル冠動脈内投与とニトログリセリン冠動脈内投与による急性心筋梗塞再灌流療法後の冠微小循環障害改善効果の比較検討- Index of Microcirculatory Resistance(IMR)による冠微小循環障害の評価-

2011 
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)では経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で再灌流に成功しても,no –reflow現象など高度な冠微小循環障害を呈すると慢性期予後が不良になると言われている。伊藤らはTIMI 3 患者の16%は心筋の灌流が得られずno–reflow現象をきたすこと1),no –reflow現象をきたすと予後も悪いこと2)を報告している。no –reflow現象の評価は心筋コントラストエコーがゴールデンスタンダードであるが,われわれは,プレッシャーワイヤーで微小循環障害を定量測定するindex of microcirculation resistance(IMR)に着目した。Fearonらは,AMI 後に測定したIMRが微小循環障害の予測因子になること3),急性期のIMRが32Uより大きな症例は3 ヵ月後のwall motion score(WMS)が障害されることを報告している4)。また,Limらの報告では,IMRが33U以上の高値例ではWMSの改善は難しくFDG–PETの取り込みも不良とされている5)。われわれは第22 回の本会で,STEMI 再還流療法後のIMR高値例に対してニコランジル2mg/10mL冠動脈内投与がIMRを有意に改善することを報告した6)。今回,ニコランジルがIMRを低下させる作用について,ニコランジルと同じ硝酸薬様作用を有するニトログリセリンと比較検討した。
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