Clinical effect of arotinolol hydrochloride and its influence on renal function in elderly patients with essential hypertension

1999 
日本国内で最初に開発されたβ優位なαβブロッカーである塩酸アロチノロールを用い, 老年者本態性高血圧患者の臨床効果および腎機能に及ぼす影響を検討した. 対象は外来に通院する70歳以上の安静時収縮期血圧が160mmHg以上または拡張期血圧が96mmHg以上の高血圧患者で, 男性10例と女性32例の合計42例であった. 4週間の観察期間ののち初回投与量として塩酸アロチノロール (アルマール) 10mg/日を分2で朝, 夕食後に投与し4週間後効果判定した. 効果不十分な場合は30mgに増量し, 効果十分な場合は継続投与し, 全治療期間を24週間として検討した. この期間中4週毎に血圧, 脈拍を測定し自覚症状の推移を判定した. また, 観察期, 12週後, 24週後に腎機能を評価した.収縮期血圧, 拡張期血圧ともに4週後より有意な降下を示し, 以後降圧効果は持続した. 心拍数においても4週後より有意な低下を示した. 血清クレアチニン値, BUN値, アルブミン値ではいずれにも有意な変化はなかった. 尿中β2マイクログロブリン値は観察期228.93±187.2μg/day, 12週後190.02±263.21μg/day, 24週後203.05±180.51μg/dayで有意な変化はなかった. 尿中NAG値は観察期4.13±2.68U/day, 12週後3.94±2.41U/day, 24週後4.40±2.96U/dayで有意な変化はなかった. 同様にクレアチニンクリアランス (以後Ccrと略す) においても観察期72.90±50.00ml/min/1.48m2, 12週後61.48±30.51ml/min/1.48m2, 24週後76.48±56.09ml/min/1.48m2と有意な変化は認められなかった. 以上の事より老年者の本態性高血圧患者に対して塩酸アロチノロール (アルマール) は腎機能に悪影響を与えずに有意な降圧効果を示す薬剤と考えられた.
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