肝血管筋脂肪腫 (Hepatic Angiomyolipoma)の2例

1989 
2例の肝血管筋脂肪腫の捺印細胞診を検討する機会を得たので報告する.症例Iは41歳女性で, 肝右葉の血液に富む暗赤色調腫瘍であった. 細胞診では, 炎症細胞を背景に, 平滑筋由来と考えられる類円形・多角形から紡錘形の細胞がみられ, 多核細胞も散見されたが, 多くは2核で細胞異型は軽度であった. その他, 髄外造血に相当する巨核球・幼若顆粒球系細胞・赤芽球が混在しており, 脂肪細胞はわずかに認められた. 組織学的には, 発達した類洞内や上皮様の類円形・多角形細胞間に髄外造血を伴って, 血管・平滑筋・脂肪組織が混在していた. 脂肪組織はわずかで, 平滑筋組織優位の血管筋脂肪腫であった. 症例Hは39歳男性で, 肝尾状葉に存在する黄色調の腫瘍であった. 細胞診で採取された細胞はわずかで, 異型性に乏しい紡錘形細胞が少数みられ, 正常肝細胞の小塊が数ヵ所認められた. 組織学的には血管・平滑筋・脂肪組織よりなるが平滑筋組織はわずかしかみられず, 脂肪組織優位の血管筋脂肪腫で, 正常肝組織が散見された.
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