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Two cases of hemangiosarcoma

1991 
血管肉腫の2例の細胞像を報告した.第1例は53歳女性.脾臓原発, 脾臓摘出3年後, 多臓器に転移し, 腹水細胞診にても腫瘍細胞を確認した.再発入院5ヵ月後死亡.剖検時, 捺印細胞診が施行された.第2例は66歳女性.顔面皮膚原発, 放射線療法後原発巣全摘術施行.術後化学療法施行するも再発し, 摘除術, 放射線療法を繰り返したが, 病悩12ヵ月後死亡.剖検時, 吸引および捺印細胞診が施行された.これら2例における吸引および捺印細胞診所見は同様のものであり, 共通する所見として,1) 出血性背景に孤立散在性ないし小集塊性に腫瘍細胞を認めた.小集塊中ロゼット様構造や血管様構造を示すものも散見された.2) 腫瘍細胞は, 多稜形細胞を主体に紡錘形細胞, 多核巨細胞を認め, ライトグリーン好染性胞体を有し, N/C比はさまざまであるが高いものも目だった.3) 核は楕円ないし類円形のものが多く, 大小不同, 核縁不整, 核異型もめだった.クロマチン量は高く, 核小体は1~2個明瞭なものを認めた.4) PAS陰性, 第VIII因子関連抗原陽性であった.血管肉腫は1症例中においてもきわめて多様な細胞像を示し, その診断はきわめて困難とされるが, 臨床所見もあわせて総合的に判断することにより診断も可能と考えられた.
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