HBe抗体持続陽性にもかかわらず血中HBV-DNA polymerase活性およびHBV-DNAが持続陽性のB型慢性肝炎例で劇症化により死亡した1例

1985 
症例は39歳,男性.HBe抗体持続陽性にもかかわらず,血中のHBV-DNA polymerase活性とRBV-DNAが常に賜性であったB型慢性肝炎で,組織学的に慢性肝炎非活動性と診断されてから,半年後,劇症肝炎様の臨床経過をとり死亡した.血中のHA抗体およびDelta抗体は陰性であり,また副賢皮質ホルモン剤,免疫抑制剤およびインターフェロン等の治療は行っていないが,経過中transaminaseの増悪がみられた直前に,血中のHBV-DNA polymerase活性とHBV-DNAの急上昇が認められたこと,ならびに生検肝組織中にHBs抗原とHBc抗原が多数の細胞に認められたことから,B型肝炎ウイルスのactive replicationが肝病変の悪化に密接に関連していることが考えられた.
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