Antioxidative Activities of Protein Hydrolyzates

1979 
各種の酵素を用いて蛋白質の加水分解率と抗酸化力との関係及び加水分解物をセファディクスG-25によって分画し,分画物の抗酸化力を測定した結果,(1) 大豆蛋白質を10種の酵素によって加水分解し,分解率と抗酸化力との関係を測定した結果,分解率5~34%の範囲内で最高の抗酸化力を示す分解率は6~9%であった。(2) 卵白アルブミンを11種酵素によって加水分解し,分解率と抗酸化力との関係を測定した結果,一定した傾向をみることはできなかった,しかし,各加水分解物はd-δ-トコフェロールと著しい相乗性を示した。(3) 8種類の酵素による大豆蛋白質加水分解物をセファディクスG-25によって分画し,各分画画分の抗酸化力のパターンを測定した結果,3つのパターンを示したが,最高の抗酸化力を示す画分はビタミンB12の溶出位置の前後にあった。(4) セファディクスG-25分画物のうち,最高の抗酸化力を示した画分と効力の弱いアミノ酸画分とを,それぞれG-50によって再分画した結果,単一のピークを示し,最高の抗酸化力はビタミンB12より若干高分子量のペプチドに認められた。(5) 大豆蛋白質,牛乳カゼイン,卵白アルブミン及びゼラチンの加水分解物をセファディクスG-25によって分画し,分画物の抗酸化力を測定した結果,大豆蛋白質,牛乳カゼイン及び卵白アルブミンの分画物の最高の抗酸化力を示す画分はビタミンB12より幾分高分子量画分にあったが,ゼラチン分解物については前記した3つの分解物よりも,さらに高分子画分にあった。
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