最新原著レビュー:前十字靱帯再建術におけるリン酸カルシウム複合化腱の効果−無作為臨床比較試験

2013 
目的:本研究の目的は膝前十字靱帯(ACL)再建術における,リン酸カルシウム(CaP)複合化腱の有用性を明らかにすることである.対象および方法:対象は64 例64 膝で,無作為にCaP 群32 膝,従来法32 膝を選んだ.患者背景に差はなかった.ACL 再建術は屈筋腱を一重束として使用し,経亜骨手技で骨孔を作成し,大`骨側エンド・ボタン(スミス・アンド・ネフューエンドスコピー社,東京),亜骨側はスクリューで固定し,CaP 複合化は術中に行った.術後1 年時に,KT-1000 Arthrometer(KT:Medmetric 社,San Diego)患健側差,International KneeDocumentation Committee(IKDC)評価,Lysholm スコア,Tegner スコア,CT を用いた骨孔拡大率を調査した.また術後2 年以降最終調査時に,KT 患健側差,IKDC 評価,Lysholm スコア,Tegnerスコアを調査した.結果:術後1 年では,KT 患健側差平均は,CaP 群(1.0±2.0 mm)のほうが従来法(1.9±1.6 mm)より有意に小さかった(p<0.05).大`骨と亜骨の骨孔前後径で,CaP群のほうが従来法より有意に骨孔拡大率が小さかった(p<0.05).術後2 年以降において,KT 患健側差平均は,CaP 群(1.6±2.1 mm)のほうが従来法(2.6±2.4 mm)より有意に小さかった(p<0.05).Lysholm スコアはCaP 群のほうが従来法より有意に高かった(p<0.05).結論:移植腱-骨孔の固着を改善するCaP 複合化腱は,ACL 再建術において骨孔拡大を防止し,膝不安定性の改善効果が高く,術後2 年での臨床成績を向上した.
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