肝温虚血・再灌流障害における食細胞由来 superoxide の重要性

2003 
肝温虚血後再灌流初期の Kupffer 細胞と好中球による superoxide 産生の再灌流障害発症における関与を明らかにするため, NADPH oxidase 阻害剤 apocynin の投与ラットを用いた検討を行った. 45分間の温虚血および60分間の再灌流の施行により, 無処置ラットで認められた血清 alanin aminotransferase の上昇, 血中ヒアルロン酸濃度の上昇, 肝エネルギーチャージの低下が, apocynin の投与により抑制されたが, 肝のグルタチオン濃度の低下は抑制されなかった. 肝エネルギーチャージの改善は, 塩化ガドリニウムを併用することにより増強された. 肝温虚血再灌流障害の初期にNADPH oxidase による superoxide 産生が細胞障害性にはたらいており, NADPH oxidase 阻害剤の投与は再灌流障害の予防に有用な手段であると考えられた.
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