Paroxetine投与中にspike-wave stuporを発症した一例

2007 
老年期うつ病の76歳男性に対しparoxetineによる薬物療法を開始したところ、両上肢の振戦、巧緻性の障害を伴う挿間性の意識障害が出現した。脳波上、意識障害と一致して、前頭部を中心に全般性の2~3Hz棘徐波複合が認められた。paroxetineの中止と抗てんかん薬の投与によって意識障害、脳波異常は消退し、抗てんかん薬を漸減中止した後も再発を認めなかった。本症例は、paroxetine投与開始後にspike-wave stuporが初めて出現しており、drug-induced seizureが疑われる。セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と関連したspike-wave stuporとしては国内外を問わず初めての症例である。SSRIの投与中に意識障害を生じた場合、発作性の病態である可能性を検討する必要がある。また、薬剤耐性が低いと予想される症例では特に、SSRIの投与に注意を要する。
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