切除不能大腸癌に対してCetuximab併用FOLFIRI 中に発症した肺塞栓症の1 例
2010
症例は48 歳,女性。2007 年5 月,腸閉塞により来院。S状結腸癌および多発性肺・肝転移と診断。緩和的に原発巣の切除を試みるも,小腸などの周囲臓器に浸潤があり切除不能で空腸-回腸吻合および人工肛門造設術を施行した。中心静脈ポートを挿入し,mFOLFOX6 療法を開始。2008 年5 月,増悪によりFOLFIRI に変更。11月,CEAの急激な上昇および骨盤内腫瘤の増大を認め,11 月20 日よりcetuximab を併用する。12 月24 日,急性呼吸不全にて来院。血液ガス分析ではPO2 20.6 mmHg,BE −6.8 mmol/L と著明な低酸素血症と代謝性アシドーシスを示した。CT では両側肺動脈に血栓症を認めた。一時的には歩行可能なまでに回復するが,2009 年1 月4日より肺炎を併発し,1 月19 日に永眠された。cetuximabと肺塞栓症の因果関係は不明であるが非常に興味深い症例であり,若干の文献的考察を含めて報告する。
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