【注目される脂肪組織の免疫細胞】 NKT 細胞・NK 細胞の脂肪組織での役割

2016 
◎ナチュラルキラーT(NKT)細胞は,病原微生物由来の糖脂質を認識して感染防御に,また自然免疫と獲得免疫の間に位置して免疫応答を修飾する役割をもつ.一方,ナチュラルキラー(NK)細胞も,とくにウイルス感染細胞などを早期に除去するなど,どちらも生体防御反応において重要なリンパ球集団である.最近では感染イベント以外の局面―肥満などの生活習慣病―においても,NKT 細胞/NK 細胞の役割が明らかとなってきた.とくに,脂肪組織におけるこれらの細胞亜群は他臓器のものとは異なるサブセットともとらえられており,そのユニークな機能は興味深い.最近,NKT 細胞/NK 細胞と脂肪細胞が相互作用することが示されており,これにより脂肪組織内の免疫バランスが変化し,肥満・インスリン抵抗性に影響を与えているというのである.本稿ではおもに脂肪組織におけるNKT 細胞/NK 細胞の機能,それが生活習慣病の進展にどのように関与しているのかを,著者らの研究を含め解説したい.
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