L-ホモセリン醗酵(第2報)
1960
天然培地に於けるホモセリン生産のための培養条件を検討し,次の如き結果を得た. (1) 一般にビオチン給源よりもスレオニン給源の濃度がホモセリン生産に著るしい影響を及ぼし,グルコース10%,硫安2%,酵母エキス0.5%,炭酸カルシウム2%, K2HPO4 0.1%及びMgSO4・7H2O 0.03%を含む培地にNZ-アミン,ペプトン,カザミノ酸の何れかを1%内外添加した培地で6乃至7mg/mlのホモセリンが生産された. (2) 無機窒素源の種類もホモセリン生産に影響し,硫安と塩安が好適であった. (3) 培養の最適温度,通気効果,始発pHの効果について検討した. (4) ホモセリン生合成の前駆物質と考えられるアスパラギン酸やフマール酸のfeeding効果を検討した.アスパラギン酸の効果は認められなかったが,フマール酸は僅かにホモセリンの生産量を上昇させた. (5) 糖源としては,グルコースの代りにシュークロース又はマルトースを用いても良好な結果を示し,特にマルトースを用いたときは7mg/ml以上のホモセリン生産を示した.しかもこの培地ではアラニン,パリンの如き副生アミノ酸の生成が減少した.又糖蜜培地ではホモセリン生産は少く約3mg/ml前後であった. 本研究の発表を許可された協和醗酵工業株式会社加藤弁三郎社長に厚く感謝致します.
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