【精神・神経・睡眠・摂食】 メラニン凝集ホルモン受容体―最近の基礎研究における話題

2016 
◎メラニン凝集ホルモン受容体(MCH)は硬骨魚類の体色明化を引き起こす物質として,サケ脳下垂体から精製された神経ペプチドである.続いてラット脳からMCH が単離され,さらに1999~2001 年にはオーファンGPCR ストラテジーによりMCH の受容体(MCHR1, MCHR2)が判明した.この生理活性物質-受容体の組合せ決定により,薬理学的解析,遺伝子改変動物の作製,MCHR1 選択的アンタゴニストを用いた行動実験が可能となり,研究は大きく進展する.現在ではMCH-MCHR1 系の生理作用は当初考えられていた範囲よりも多彩であり,情動を含めた高次中枢機能のほか,アレルギーや炎症との関連も報告されている.本稿ではMCH 受容体を介するシグナル伝達機構・構造活性相関についての最新知見と,摂食/エネルギー代謝調節における役割を中心に概説する.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []