A Case of Linitis Plastica Type Rectal Cancer Detected by Family Study

1982 
私共は,ポリポージスを伴わない家族性大腸癌の特長として(1)家族性,(2)近位性,(3)多発性,(4)若年性を保因者同定の臨床的指標と考えている.その方法により稀有な大腸原発のびまん性浸潤癌の1例を発見した.患者は31歳の男子,母は43歳の時直腸癌にてMiles手術を受け,52歳の時S状結腸癌にてS状結腸切除術を受けた.母の弟は55歳の時結腸癌および前立腺癌の手術を受けた.父方の祖父は55歳胃癌で死亡した.患者の母は家族性大腸癌と考え,本症例を含むその子3名に検査を施行した.他の同胞2名は大腸に異常なかったが,本症例では,肛門輪より10cm口側よりS状結腸にかけて約16cmの辺縁不整な狭窄像を認めた.直腸S状結腸癌と考え,1979年12月直腸S状結腸切除術を施行した.固定標本上で病変は11.0×8.5cmであり,びまん性浸潤癌であった.組織型は,高分化腺癌で,主として粘膜下層への浸潤がみられ,漿膜下層,筋層には広範な線維増生がみられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    13
    References
    2
    Citations
    NaN
    KQI
    []