大腸癌における術前血清CEA およびCA 19-9測定の意義についての検討

2007 
はじめに:腫瘍マーカーの測定は各種癌診療において簡便で頻用されている。当院大腸癌における術前血清CEA,CA 19-9測定の意義について検討した。方法:大腸癌586例について術前CEA およびCA 19-9を測定し,それぞれの基準値をcut-off値として,それより低値の群(group A), 高値の群(group B)に分類し予後を検討した。結果:各マーカーは進行度が進むにつれ基準値以上を示す傾向があり,group A はgroup B より有意に生存期間が良好であった。Dukes分類の検討では,CEA はDukes A, B, C でgroup A がB より有意に生存期間が良好であった。CA 19-9はDukes C, D でgroupA がB より有意に生存期間が良好であった。再発例の検討では,CEA,CA 19-9ともにgroup A およびB ともに再発時には初回手術時よりも有意に基準値以上を示した。Dukes A における補助化学療法の検討(5-FU containing regimen)では未施行例においてCEA のgroup B でのみ有意に予後が悪かった。結語:大腸癌における術前血清CEA, CA 19-9の測定は,予後予測に有用であり,特にCEA はDukes A におけるhigh risk groupの予測に有用である可能性を示唆した。
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