鍼治療後に背部皮下筋間膿瘍, 両側膿胸, 化膿性脊椎炎, 硬膜外膿瘍を併発し, 下半身麻痺をきたした糖尿病の1例

2007 
症例は無治療の糖尿病を有する56歳の男性で, 2007年4月に腰痛に対して背部に鍼治療を受け, その2週間後, 発熱を伴い, 背部痛が出現したため当院受診した. 疼痛のため歩行困難であり, 精査目的にて入院した. CT, MRIで背部の皮下から筋間に及ぶ膿瘍, 両側膿胸を認め, 入院2日目に背部皮下の切開排膿, 洗浄処置および両側胸腔ドレーン挿入術を施行した. その後も左側の膿胸は残存し両下肢の脱力感, 麻痺が出現し, 進行した. MRIで脊椎炎および硬膜外膿瘍の増悪を認めたため, 入院18日目に左開胸下に胸腔内膿瘍の切開および掻爬を行い, 整形外科的に傍脊椎膿瘍のドレナージ処置を行った. その後炎症所見は消退し, 現在リハビリ治療継続中である. 文献的な考察を加えて報告する.
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