高速実験炉「常陽」100MW性能試験報告書 : 炉雑音特性(NT-262) 制御棒振動効果

1984 
昭和57年11月から58年3月にかけて実施された照射用炉心(MK―2炉心)出力上昇試験および58年8月より59年6月にかけて実施された定格第1sim第3サイクルにおいて測定された炉雑音データの解析・検討結果について報告する。測定対象とした信号は,中性子束,反応度信号のゆらぎ成分であり,必要に応じて1次系流量,制御棒荷重,原子炉出入口温度等のゆらぎ成分も同時に多チャンネルデータレコーダにて収録した。得られたデータは,汎用雑音解析コード"NOISA"によって処理し,各信号のrms値,パワースペクトル密度および信号間の相関を示すコヒーレンス等を求めた。解析の主目的は,中性子束ゆらぎ発生原因の同定および制御棒振動メカニズムの把握である。主要な結論を以下に列記する。(1)運転中の中性子束ゆらぎ量は予測値に比べて大きく,最大で+-2MW程度であった。ただし,警報レベル(103MW)に達するものではなかった。(2)中性子束ゆらぎの主要な発生源は制御俸の流力振動である。(3)制御棒振動の励振源は,従来考えられていた制御俸チャンネル内での冷却材の流動よりも,集合体出口上部における圧力変動の方が支配的である。(4)中性子束ゆらぎ量の低減方法としては,制御棒防振機構の改造が有効である。
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