軟性気管支鏡と耳鼻科用鉗子を併用して摘出し得た気道異物 (義歯) の1例
2005
症例は71歳, 男性。2003年3月17日意識低下で救急搬送され脳梗塞疑いで入院となった。以後臥床のままで中心静脈栄養管理となっていた。2004年3月12日の胸部X線で右肺下葉に義歯と疑われる陰影を認めた。胸部CTでも右下葉入口部に義歯と推定される陰影を確認した。気管内挿管下に気管支鏡を施行して, 右下葉入口部に気道分泌物に包まれた異物を認めた。生検鉗子で把持して挿管チューブの手前で挿管チューブごと異物を出そうと試みたが, 口腔外に出す直前に中咽頭で異物が舌根に接触し鉗子よりはずれ右上咽頭に義歯が埋没した形となった。透視下で義歯を確認し, 経鼻的に気管支鏡を試みたが鼻腔が狭く, 挿入に伴う出血も予想され耳鼻科的に, 右外鼻腔より経鼻的に直視下で鉗子で摘出された。本症例のように, 気管異物を内視鏡的に口腔外に摘出する場合には, 中咽頭での鉗子の把持に十分注意する必要があると考えられた。
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