Clinical Course of 63 Patients with Crohn's Disease following Surgical or Conservative Therapy Clinical Features of Patients in Long

63例のクロン病患者を対象に外科的あるいは内科的治療後の経過を臨床的要因をもとに検討した.外科的切除例は24例38.1%,保存的治療症例は39例61.9%であった.手術後の再燃はあっても2回目以上の手術例は著明に減少し,病勢は鎮まりquality of lifeは悪くなかった.保存的治療症例39例中3年以上の炎症持続症例が22例56.4%,逆に3年以上の緩解持続症例が9例23.1%にあった.前者に小腸・大腸炎型が多く,炎症反応が強い傾向にあった.後者には小腸炎型が多い傾向にあったが,初診時の血清鉄値が前者に比べ統計学的に有意に高い値であった.以上のことからクローン病は極めて難治で進行性の疾患であるが,なかには無治療で長期間緩解状態が持続していたり,治癒したと判断できる症例があることが明瞭になった.これらの症例では血清鉄値の低下が軽度であり,血清鉄値は病勢や重症度により鋭敏に影響を受け,長期管理の方針と予後の予測に役立つ因子と考えられた。