Advantage of Extended Lymphadenectomy for Carcinoma of the Thoracic Esophagus.

1995 
胸部食道癌根治切除301症例を対象とし, リンパ節拡大郭清の意義を予後の面を中心に検討した. リンパ節郭清範囲は, 当初は食道近傍に限定されていたが, 周術期管理の向上により上縦隔・頸部にも及ぶようになり, 今日では3領域郭清術として頸・胸・腹部のリンパ節が系統的に郭清されるようになった. そこで, 1970年から5年毎の予後をみると, 年代を経るごとに術後遠隔生存率は有意に向上した. しかし, リンパ節転移個数で遠隔生存例をみると, 郭清範囲にかかわりなく3個以内の症例が5年以上生存していた. 一方, 6~10個程度のリンパ節転移では系統的郭清によって3以上生存した症例も小数認められた. 3領域郭清による合併症発生率は, 反回神経麻痺のみが2領域郭清と比べて高率であったが在院死亡率などに差はみられず, 数個のリンパ節転移を有する胸部食道癌では3領域郭清術が予後向上に寄与していた.
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