Cytological and immunohistochemical studies of a sclerosing stromal tumor of the ovary.

1997 
若年層に好発し, 特徴的な組織像を示すとされている, まれな良性卵巣腫瘍である硬化性間質性腫瘍の1例を経験したので, その細胞像と免疫組織学的特徴を報告する. 症例は33歳の女性で不妊症にて他院受診後, 卵巣腫瘍の疑いにて当院に紹介となった. 内診で子宮後方に鵞卵大腫瘤が触知された. 超音波検査, CTにて充実性腫瘍が認められ, 右卵巣摘出術が施行された. 手術時の捺印細胞診では, 異型性に乏しい小型の2種類の細胞が散見された. 一方は豊富な細胞質に円形核を有する細胞で, 他方は紡錘核を持つ比較的裸核状の細胞であった. 背景はきれいで, 壊死細胞などの悪性を示唆する所見もなく, 良性と診断された. 組織学的にこの充実性卵巣腫瘍は, 浮腫状の部分と細胞豊富な部分から構成されていた. 後者では細胞像に一致して, 豊富な細胞質に円形核を持つ細胞と, 紡錘状細胞質に紡錘核を持つ細胞との2種類が認められた. 酵素抗体間接法による免疫染色で, 2種類の細胞とも, 非上皮性マーカーのvimentin, desminに対し陽性所見がみられた. 硬化性間質性腫瘍に関する今回のわれわれの報告では捺印細胞像と組織像とを比較検討できたものの, 今後症例を集積してさらに検討する必要があると思われる.
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