A case of malignant melanoma of the ovary discovered by endometrial aspiration smear

1984 
52歳, 主婦の卵巣原発悪性黒色腫を, はじめて子宮内膜吸引細胞診で発見できたきわめてめずらしい症例を, 細胞形態を中心として若干の考察を加え報告した.卵管, 子宮体部および頸部には転移巣はなく, 悪性細胞は卵管を経由して, 子宮腔内および頸管に出現したものと考えた. 子宮内膜吸引細胞像は, 卵管を経由してきたためか, 上皮性腫瘍形態とされている結合性が強く, 腺癌および胚細胞性腫瘍などとの鑑別が非常に困難であった. しかし背景中の組織球細胞質内に凝集性のメラニン色素の存在が観察でき, 悪性黒色腫を推定するうえで非常に役立った.組織像においては, 円形細胞, 紡錘形細胞が胞巣状あるいは充実性に発育していたが, 子宮内膜吸引細胞診, 腫瘍割面タッチ細胞診においては, 円形の細胞しか出現しておらず興味深かった.
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