超音波パルスドッブラー法による腹部動脈血流量の測定:健常人及び慢性肝炎,肝硬変患者の上腸間膜動脈・脾動脈血流量の測定

1987 
Duplex systemにて腹部動脈血流量を正確に測定できるか否かを知るために,全麻下の成犬で上腸間膜動脈及び脾動脈をduplex systemと電磁流量計で同時測定した.血流量は次式から算出した.π/4×(時間平均の径)(時間平均の径)2×(時間平均血流速度)Duplex systemにて求めた上腸間膜動脈,脾動脈血流量は,電磁流量計によって求めたそれと有意の一次相関を示した.次にduplex systemを用いて,健常人,慢性肝炎,肝硬変の上腸間膜動脈,脾動脈血流量を測定した.健常人の上腸間膜動脈血流量,脾動脈血流量は各々383±90ml/min, 179±37ml/minで,肝硬変では各々547±111ml/min, 432±144ml/minと健常人に比して両者共有意に増加していた.以上より,duplex systemは腹部動脈血流量を非侵襲的に測定でき,肝疾患に伴なう門脈流入血流量の変化を検討する上で有用な検査方法と思われる.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    15
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []