A CASE OF AXIAL TORSION OF MUCINOUS CYSTADENOMA OF THE APPENDIX DIAGNOSED AS AN OVARIAN CYST BEFORE THE OPERATION
2008
症例は66歳,女性.3日前から続く右下腹部痛を主訴に当院を受診した.身体所見では右下腹部に反兆痛を認め,同部に可動性のある手拳大の軟性腫瘤を触知した.血液検査上WBCは10,500/μl,CRPは10.72mg/dl,CEAは8.5ng/mlと上昇し,CT,MRIでは右骨盤内に50×80mm大の嚢胞性腫瘤を認めた.腫瘤は卵巣嚢腫と考え,高度な炎症所見および腹膜刺激症状を伴うことから嚢腫の感染ないし内出血を伴う茎捻転を疑い緊急手術を選択した.開腹すると右卵巣は正常で,虫垂遠位末端部に鶏卵大の嚢腫が虫垂を軸に720°時計方向に捻転していた.悪性所見はなく虫垂切除術を施行した.病理組織検査にて虫垂粘液嚢胞腺腫と診断された.術後の経過は良好で7病日に退院し,術後4年で再発は認めていない.軸捻転を伴った虫垂粘液嚢胞腺腫は自験例を含め僅か14例しかなく,術前画像所見のみで正確な術前診断に至った報告はない.軸捻転を伴った虫垂粘液嚢胞腺腫を臨床的特徴に関する文献的考察を加え報告する.
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