体表 3D-Simulation CT Colonography を用いた小開腹下横行結腸切除術 D2 リンパ節郭清

2019 
背景と目的: 腹腔鏡下横行結腸手術は難易度が高い。横行結腸の正中に近い病変であれば,腸切除は小開腹でも容易であるが,横行結腸の血管走行は多様性があり小開腹創での正確な D2 リンパ節郭清は困難である。3D-CT を用いて腹腔鏡下手術と遜色ない小開腹創にて横行結腸切除術 D2 リンパ節郭清を施行可能であったので報告する。対象と方法: 症例は 60 歳,女性。早期横行結腸癌にて EMR を施行した。pT1b(1.5 mm),pVM1 にて追加手術の方針となった。CT colonography(CTC) で病変を同定し,動静脈 3D と CTC を合成した simulation CTC(sCTC)を作成して支配血管の同定と D2 リンパ節郭清を simulation した。さらに腹部体幹表面の透過性のある 3D 画像を作成し(体表 3D),sCTC と合成した体表 3D-sCTC を作成して D2 リンパ節郭清が可能な最小限の開腹創を simulation した。結果: sCTC にて支配動脈は中結腸動脈右枝(MCA Rt), その伴走静脈は胃結腸幹(GCT)より分岐していることを同定した。次に体表 3D-sCTC を用いて手術創を simulation した。 MCA Rt 根部と GCT は臍上縁より約 5 cm 頭側にあることがわかり,臍上 5 cm と臍 2 cm の計 7 cm の小開腹創を design した。simulation どおり 7 cm の創で小開腹下横行結腸切除術 D2 リンパ節郭清を施行した。手術時間 2 時間 51 分,出血量は少量であった。合併症なく第 7 病日に退院した。最終診断は pT1bN0M0,Stage Ⅰとなり術後4年2か月が経過し,現在再発を認めない。臍上縁の創は約 3 cm に短縮し臍部の創も目立たない。結語: 体表 3D-sCTC を用いた小開腹下横行結腸切除術 D2 リンパ節郭清は,早期横行結腸癌において術式の選択肢になり得る。
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