A CASE OF RETROCECAL HERNIA SUCCESSFUL DIAGNOSED BY CT

2003 
症例は84歳,女性.腹部手術の既往はなかった.突然出現した腹痛と嘔気を主訴に当院に来院した.腹部全体が膨隆し下腹部に圧痛を認めた.腹部単純X線で鏡面像を伴う拡張した小腸が認められ腸閉塞と診断された.腹膜刺激症状を認めなかったため,イレウス管を留置し精査を行った.イレウス管造影と注腸造影により,回盲部の尾側に両端に狭窄像を有する拡張した小腸係締を認めた.この拡張した小腸係締は腹部CT上では盲腸の背側に位置していたため,盲腸後窩ヘルニアを強く疑った.開腹すると回腸末端から口側約80cmの部位で約4cmの回腸係締が盲腸後窩に嵌頓していた.還納後,盲腸を後腹膜へ固定しヘルニア門を閉鎖した.盲腸後窩ヘルニアは比較的稀な疾患であり,術前診断は困難とされている.本例ではCTが術前診断に有用であり,消化管造影後に撮影したため盲腸周囲ヘルニアのタイプ診断も可能であった.
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