製紙排水向け担体流動床式生物処理装置「粒流-バイオシステム」

2004 
日本全国の製紙業界では1970年から1972年頃にかけて放流水質規制に対応すべく排水処理装置の建設がおこなわれ,多くの工場ではすでに30年前後経過している。昨今,環境問題の意識向上を伴って排水処理基準が強化される傾向にある。一方,製紙業界では地球の砂漠化問題,環境保全を前提にした古紙のリサイクル等に対応した結果,排水の水質は悪化の方向に向かっており,廃水処理設備の増強,増設を考えざるを得ない工場も多い。排水処理にも膜処理など新しい技術が導入されつつあるが,多量の排水が流出する製紙排水ではイニシャルコスト,ランニングコストを考慮すれば未だに生物による処理が経済的である。活性汚泥法など生物による排水処理は多少管理の難しさがあるだけに,新たに設備される装置には高効率で,取り扱いの容易なものが望まれる。弊社ではこのような要求に答えるべく担体流動床方式の生物処理システム「粒流バイオシステム」を開発した。担体は曝気槽容積の減少を最小にし,生物膜の付着面積が最も効率が良くなる円筒形のプラスチック担体を採用し,比重は生物膜が担体に付着生長したときに1になるように調節した。この担体は僅かな水流にもよく流動し,排水中の汚れ(BOD)と良く接触させる事が出来る。また,担体同士が衝突しても衝撃がソフトであり,付着した生物膜を過度に剥離する事もない。製紙廃水向けに「粒流バイオシステム」を販売して8年が経過し,実績も出揃ったので開発経過,実績について紹介する。
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