Clinical features of elderly patients with hepatocellular carcinoma

2001 
高齢者肝細胞癌 (HCC) 症例の臨床的特徴と治療法選択に関し, 自験例163例を older (70歳以上; O群47例), intermediate (60歳以上70歳未満; IM群70例) 及び younger (60歳未満; Y群46例) の三群に分け検討した.O群ではY群に比し HBsAg 陽性例とIII期症例が少なかった (p<0.05). また, 飲酒歴を有するものの割合も有意に低率であった (p=0.006). 性比では女性が, 腫瘍のサイズでは small HCCの割合がO群で多い傾向はみられたものの, 有意差はなかった. 輸血からHCC診断までの期間は各群とも約30年で差はなかった. 治療はO群76%, IM群87%, Y群78%で行えたが, 外科切除例はO群では2例と少なかった. 他病の有病率はO群53%, IM群30%, Y群28%とO群で有意に高く, 特に心肺疾患が多くみられた. 無治療例の理由はIM群, Y群とも全て肝臓側の要因であったが, O群では治療拒否や心不全なども見られた. 5年生存率はO群55%, IM群32%, Y群26%でO群が他群より高く (p<0.01), 特に他病の合併のないO群症例は予後良好であった.以上より, 高齢者HCCは, 腫瘍サイズや肝予備能からみれば侵襲のある積極的治療も可能であるが, QOLの面や他病の有病率が高いことから, より低侵襲な治療法を選択すべきであると考えられた. 更に, 心肺疾患のコントロールが十分出来れば, むしろ非高齢者HCCより予後が良い可能性が示唆された.
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