特異なfractionated electrogramを呈したincessant formの持続性心室頻拍

1991 
右脚ブロック, 左軸偏位型のVTを有する陳旧性心筋梗塞の一例に電気生理学的検査を行った.VTはプログラム刺激のみならず, 洞調律からも生じるいわゆるincessant型を呈していた.検査時の洞調律QRS波形は検査前と異なり, 右脚ブロック, 左軸偏位型を示し, そのQRS波形はVT時のものと同一であった.洞調律時, 左室下壁心尖部側にQRSに30msec先行したfractionated electrogram (FE) が記録され, 同部位のペースドマッピング時のQRS波形も洞調律時やVT時のQRS波形とほぼ同一であった.VT中の心内膜マッピングでも同部位が最早期興奮部位であり, QRSに60msec先行したFEが記録された.洞調律時, QRSに先行してみられるFEの報告は我々の調べたかぎりでは認められず, 上記の所見と合わせ, FEの記録部位の伝導性の異常がVTの発生に強く関与している可能性が考えられた.
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