Clinical Study on Assessment of Brain Death by Analyzing the Nasopharyngeal Lead EEG

1996 
臨床的に脳死に近い4症例(41~62歳)と脳死と判定された3症例(39~57歳)について,通常の脳波検査で採取された標準脳波と鼻咽頭後壁から得られたnasopharyngeal EEGとを脳波自動解析システムを用いて解析・検討した。そのうち脳死に近い2症例では,肉眼的にnasopharyngeal EEGに低電位で10~30μVのθ波がみられたが,他の5症例ではnaso-pharyngeal EEGもほとんど平坦化していた。さらに脳波自動解析システムを用いて脳波をデジタル化したところ,標準脳波の等価電位は健常人の等価電位よりも低値を示したのに対し,nasopharyngeal EEGの等価電位はいずれかの周波数領域において,低電位ながら健常人の等価電位分布の範囲内に留まっていた(7例中δ:2例,θ1:5例,θ2:2例,α1:2例,α3:5例,β1:5例)。このようなnasopharyngeal EEGの詳細な解析は「脳死」状態の把握に有用であると思われた。
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