TLR-MyD88 経路と全身性エリテマトーデスにおける転写因子IRF5 の制御と役割
2018
転写因子interferon regulatory factor-5(IRF5)はToll-like recepto(r TLR)-MyD88経路を介した自然免疫応答において重要な役割を果たし,また自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)の病態発症と関連することが知られている.IRF5 によるSLE 発症機構として,IRF5 がその抑制機構の破綻により過剰に活性化され,Ⅰ型インターフェロンおよび炎症性サイトカインが過剰に産生されることで最終的にSLE の発症に至るというモデルが示唆されている.著者らの知るかぎりでは,これまでに研究されたすべてのSLE モデルマウスにおいてIRF5 が病態発症に必要であることが示されており,病態発症に関与する免疫細胞におけるIRF5 の役割も解析されている.IRF5 の活性または量を半減させることでSLE病態が抑制されることが示唆されており,IRF5 の選択的抑制が新しいSLE 治療法の開発につながる可能性がある.
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