A New Surgical Technique of Endoscopic Vocal Cord Medialization for Laryngeal Palsy

2006 
声門閉鎖不全に対する新しい手術法として, 自家側頭筋膜移植術が開発された.この手術法は喉頭直達鏡下に手術を施行でき, 頸部に外切開を必要とせず低侵襲であり, 声帯間隙が小さな症例に対してはきわめて良好な成績を収めている.しかしながら, 声帯間隙の大きな症例は本法の適応外とされその改良が望まれていた.今回われわれは, 声帯突起外側に筋膜を移植することにより声帯膜様部のみならず, 披裂軟骨そのものを内方に移動させる手技を開発した.これにより頸部に外切開を入れずに声帯間隙が大きな症例に対応できるようになった.現在までに片側性声帯麻痺に伴う声門閉鎖不全症例11例に対して施行した.その結果, 全症例において移植した筋膜の脱落は認められなかった.術前に比べて術後は, 麻痺側声帯の内方移動を認め, 音声の質的改善, PPQ, NHRの改善を認めた.液体の誤嚥の改善も認めた.
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