History of Change in Meanings of a Term "Shio-Zakai" (Oceanic Front) and its Synonyms.

2001 
江戸時代中期の瀬戸内海では「潮汐界」(シヲサカヒ) は, その両側で上げ潮時の潮流が逆向きとなる潮汐の境界を意味していた (森 幸安, 1754)。内海舟運で行われた潮待などの実際面で「潮汐界」の情報が役立ったため, この語が使われたのだろう。北原 (1912, 1921) は「潮合(線)」を寒暖二流 (実は二水塊) の境界という意味で使っていた。「潮境」を浮遊物の集積する海流収斂線や異色水塊の境界という意味で, 最初に使ったのは宇田 (1931) である。しかし宇田が傾倒してやまない北原が使った「潮合(線)」の代わりに「潮境」を使い始めた動機は謎である。もしかすると, すでに「潮境」が外海漁業者の間で広く使われていたという経緯も考えられる。「潮合(線)」も「潮境」も海軍水路部の重松や岸人らでは使われず, 水産試験機関の北原や宇田らに限って使われたことは,「潮合(線)」「潮境」の情報が水産試験研究の実際面で役立ったためだろう。
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