大地震・自然災害・感染症拡大などの緊急事態と clozapine 処方とモニタリング
2021
Clozapine 処方を受けている者は,災害時には,災害そのものによる困難に加えて,診察と血液モニタリング・処方のために頻度の高い受診の継続が負担となりうる。本来はこの問題の解決には,普段から簡便な clozapine 処方体制が準備されることが望ましい。しかし他国より clozapine の上市が遅く,処方患者の追跡データの蓄積期間が短い日本においては,現在のところ他国より短い間隔の血液検査モニタリングが必須となっている。日本は従来から地震など自然災害の頻発国であったが,昨今ではグローバル化に伴いMARS,SARS,COVID-19 と感染症パンデミックがみられるようになってきた。災害時・パンデミック時にも clozapine 処方が柔軟に行われる仕組みが必要である。振り返ると2014年には「震災等災害時のクロザリル処方について」が公表され運用なされてきたものの,採血頻度の緩和にまでは踏み込めたものでなかった。COVID-19 感染拡大では,不要不急の外出を自粛する必要が生じ,遠隔診療や処方日数の延長により対処がなされている。Clozapine の場合には,頻度の高い血液検査が必要であったが,緊急事態宣言期間は緩和措置がなされた。 臨床精神薬理 24:281-285, 2021 Key words ::regulation, clozapine, COVID-19, natural disasters, monitoring
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