Clinical usefulness of the resting electrocardiogram before surgery in asymptomatic patients with no history of organic heart disease

術前心電図検査の臨床的有用性を検討するため外科入院患者5, 762例について心電図所見の特長を検討した.さらに循環器科に手術可否判定を目的に受診した無症候性心電図異常例458例について術前心電図異常と手術時心合併症との関係について検討を行なった.心電図異常は1, 454例 (25%) で認められ高齢者, 男性で多かった.無症候性心電図異常例のうち, 心合併症は12例 (3%) で認められ, いずれも術後7日目までに発生した.心合併症は (1) 血管手術例, (2) 心電図左室肥大例, (3) 心エコー左室肥大例, (4) 運動負荷試験陽性例, (5) 心拡大例 (胸部レントゲン) で多く認められた.また, 心合併症例は心電図ST-T異常および心エコー左室肥大を指標とすることにより効率よく検出可能であった.術前心電図検査は心エコー検査と併用することにより心合併症例の予知に有用であると考えられた.